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LaTeXの概要
LaTeXをとりあえず使ってみたいという方のために書かれています.
ここでは, LaTeXの基本的な使い方のごく一部を紹介します.
もっと詳しく知りたい方は参考書を
あたってみてください.
- 予稿(中間発表, 最終発表)用のテンプレート(研究室内のみ)
(設定ファイルeeedigest.texと
本文ファイルsample_digest.texの両方をダウンロードして,
同じディレクトリ(フォルダ)に保存する.
本文をsample_digest.texに書き込む)
- 卒業論文用のテンプレート
(設定ファイルthesis_sample.tex と 本文ファイルthesisdef.tex の両方を
ダウンロードして, 同じディレクトリ(フォルダ)に保存する.
本文をthesis_sample.texに書き込む)
- プレゼンテーション
jsclasses
や prosper
などのクラスがあります. 他のプレゼンファイルの作成方法は,
弘前大 葛西さんのサイトに簡単な使用法が記載されているので, 参照してみてください.
基本的な流れは次のようになります.
- sample1.texのようにemacsをつかって
打ち込む(ダウンロードしてもいいですよ).
- コンパイルする(dviファイルを作成する).
- dviファイルを見る.
- 印刷.
YaTeX(やてふ)のemacs上でのキーバインドは次のとおりです.
キー操作 | 動作 |
Ctrl-c t j | platex起動(コンパイル) |
Ctrl-c t r | 領域を指定してコンパイル |
Ctrl-c t k | 動作中のコンパイルを中止 |
Ctrl-c t p | プレビューア(xdvi)起動 |
Ctrl-c ' | エラー行へジャンプ |
Ctrl-c t l | lprコマンド起動(プリントアウト) |
具体的な使い方を順に説明していきます.
入力から印刷まで
- kterm上で, 「emacs sample1.tex &」と入力する.
- 本文をひたすら打ち込む.
- ファイルをセーブする
(「Ctrl-x Ctrl-s」とキー入力する).
-
emacsがYaTeX(やてふ)モードになっている(emacsの下部に注目!)ことを確認する
(YaTeXモードになっていない場合, emacs上で「Alt-x yatex-mode」と入力します).
「Ctrl-c t j」と入力します. する
と, コンパイルが始まります. 間違いなく入力できていれば, そのまま
終了します.
エラーがあった場合には, 一旦コンパイルを中止します「Ctrl-c t k」
そして, 「Ctrl-c '」でエラーメッセージを表示させます.
- エラーを修正して再度, コンパイル実行.
- 無事にコンパイルが終了したら, 「Ctrl-c t
p」と入力します. するとxdviが立上ります.
- 印刷するときには, xdviを終了してから, emacs上で「Ctrl-c t l」
どうですか? うまくいきましたか?
始めのうちは失敗の連続だと思いますが, すぐに慣れますので心配はいりません.
図1 sample1.texの出力
2. 使用したソースファイルの説明
次にsample1.texの中で使ったコマンドを説明します.
ソースファイルをemacs上で見ながら, 以下の説明を読んでみてください.
- \documentclass[a4paper,12pt]{jarticle}: a4paperは紙の大きさ. 12ptは文字の大きさで, 他に 10pt, 11ptが指定できる. jarticle は日本語を入力する文書クラスファイル. 他にjbook(本),jreport(報告書),slides,(スライド) などがある.
- \textheight : 本文の高さ.
- \textwidth : 本文の幅.
- \topmargin : 上端のマージン(基準線から).
- \oddsidemargin : 左端のマージン(基準線から).
- \usepackage : 用いるpackage fileを指定する.
- 「%」から後の文字はコメントとして無視される.
- \title : 表題を書く. (なくてもよい. )
- \author : 著者を書く. (なくてもよい. )
- \date : 日付を書く. (なくてもよい. )
- \begin{document} : ここから本文が始まる. \end{document}までが本文となる.
- \maketitle : \title, \author, \date が記入される. (なくてもよい. )
- \section{ほにゃら} : 節
- \subsection{ホニャラ} : 小節
- 空白行 : 段落の終り.
- \\ : 強制改行.
- エディタ上での改行は2行続かない限りコンパイル時には無視されます.
- \begin{itemize} : 箇条書のはじまり. \itemが個々の項目に対応する. \end{itemize}で終り.
- \setlength{\itemsep}{-1 ex plus 0.1 ex minus 0.1 ex} : 箇条書の行間スペースを調整している. 詳細は略す.
1.表作成の例
表はtable.tex (保存もでき
ます) のように打ち込み, コンパイルするとできます.
すると図2のような表ができます.
ここで, 表の説明も同時に入力できますし, 表番号は自動で入り, また本文中に自動的に参照(reference)されることにも注目してください. ただしこのときに2回コンパイルが必要ですので, 注意してください.
2.プログラムの説明
- \begin{table} : 表の始まりの宣言. 表は, ここ
から\end{table}まで.
- \caption{なんとか} : 表の説明
- \label{かんとか} : 表を指す名前. 本文中で\ref{かんとか}と書くと表の番号が自動的にでてくる.
- \begin{tabular}{|c|rcl|l|} : 表の体裁を書く.
「c」は真中(center),「l」は左端, 「r」は右端を示す. そして「|」は
縦線を表す. これらのことは, プログラムと実物を比較してみてください.
(\end{tabular}まで)
- \\ \hline : 改行と横線を表す.
- 表の各項目は「&」で区切られる.
図2 table.texの出力
1.図の取り込み例
図はfigure.tex (保存もで
きる) のように打ち込み, コンパイルするとできます.
図3のような表ができます.
ここで, 図の説明も同時に入力できます. 表番号は自動で入り, また本文中に自動的に参照(reference)されます. ただしこのときに2回コンパイルが必要ですので, 注意してください.
2.プログラムの説明
- \usepackage[xdvi]{graphicx} : 図を挿入するために"grahicx.sty"を使用することを宣言. これはプリアンブル(\begin{document}の前)に書くこと.
- \begin{figure} : 図の始まりの宣言. 図は, ここから\end{figure}まで.
- \includegraphics[clip,width=50mm] : 図を挿入せよとのコマンド. 「width」は幅を指定する. 高さの場合には「height」となる. 「clip」は無条件でつけた方が良い.
- \caption{なんとか} : 図の説明
- \label{かんとか} : 図を指す名前. 本文中で\ref{かんとか}と書くと図の番号が自動的にでてくる.
- \begin{center} : 中心に図(文)が置かれる
(センタリングされる). (\end{center}まで)
図3 figure.texの出力
数式を入力
math.tex(ダウンロードもでき
ます)を入力してコンパイル.
図4のように出力されます.
ソースファイルの説明
- $f(x)$ : $と$との間にはさまれた場所が数式(文書モード)になります.
- 数式では基本的に斜体文字です.
- \begin{equation} : 数式モードの始まり. (\end{equation}まで. )
- \sum : Σを出力せよ.
- \limits_{l=0}^{\infty} : Σの範囲の設定. 出力参照のこと.
- \int : 積分記号を出力せよ.
- \nolimits_{1}^{-1} : 範囲の設定. 出力参照のこと.
- \frac{A}{B} : 分数 "A/B".
- \cos : cos の出力. (斜体でないことに注意!)
- \theta : ギリシャ文字の出力もできる.
- ^ : 上付き文字(なんとか乗). 下付きは「_」.
- \begin{eqnarray} : 数式の表形式の出力.
&で区切られ, &と&で囲まれた文字の位置がそろ
う. (\end{eqnarray}まで)
- \label{なんとか} : 図や表と同様に数式番号が\ref{なんとか}で自動的に参照される.
図4 math.texの出力
ギリシア文字, 数学記号
ギリシア文字は数式モードで使う($と$とで挟む). 大文字は$\Alpha$のように一文字
目を大文字にする.
α\alpha |
β\beta |
γ\gamma |
δ\delta |
ε\epsilon \verepsilon |
ζ\zeta |
η\eta |
θ\theta \vartheta |
ι\iota |
κ\kappa |
λ\lambda |
μ\mu |
ν\nu |
ξ\xi |
οo |
π\pi |
ρ\rho |
σ\sigma |
τ\tau |
ε\upsilon |
φ\phi \varphi |
χ\chi |
ψ\psi |
ω\omega |
γ\gamma |
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次の記号の一部を利用するには, プリアンブル(\documentclass と
\begin{document}との間)に,
\usepackage{amssymb}を書いておくこと.
∞ \infty |
± \pm |
×\times |
÷\div |
≠\not= |
≦\leqq |
≧\geqq |
°^\circ |
∂\partial |
∇\nabla |
≡\equiv |
≒\fallingdoteq |
≪\ll |
≫\gg |
MS-Windows でもLaTeXは使うことができます.
インストールは, 次の方法のいずれかで行うことができます.
- 奥村:LaTeX2e美文書作成入門を購入して,
付録のCD-Rを使ってインストール.
LaTeXとWinShell(エディタ)が使えるようになります.
- 大友:LaTeX組版ハンドブックを購入して,
付録のCD-Rを使ってインストール.
LaTeXとエディタが使えるようになります.
- LaTeXとエディタ(MeadowかWinShell)をwebサイトからダウンロードしてインストールする.
LaTeXのインストール手順には次のサイトが参考になります.
TeX文章への図の貼込みにおいて, 図はepsファイルである必要があります.
epsファイルの作成方法には, いくつかあります.
以下に3つほど紹介しますので, 場合によって使い分けて下さい.
- Tgifを使用
- 絵を描いて, 保存する.
- 「ファイル」→「印刷/出力フォーマット」→「LaTeX(eps)」
を選ぶ
- 印刷
- gimp を使用
- 絵を描いて, 保存する.
- 「ファイル」→「別名で保存」→「名前」に「hoge.eps」など
とファイル名(.eps)を書く.
- 指示にしたがって, 保存する.
- 「jpeg」ファイルなどからコマンドで変換
- kterm上で次のコマンドを入力する
> convert hoge.jpg hoge.eps
dviファイルをつくっておいて, kterm上で次のように打ち込む.
すると, pdfファイルが作成されます.
> dvipdfmx hoge.dvi
> ls
hoge.dvi hoge.pdf
>
- 海上忍, 黒川弘章: これだけでできるLaTeX実践活用ガイド, 技術評論社(2000).
- 生田誠三: LaTeX2e入門, 朝倉書店(2003).
- 生田誠三: LaTeX2e文典, 朝倉書店(2000).
- 奥村晴彦: 改訂第3版 LaTeX2e美文書作成入門, 技術評論社(1997).
- M.Boossens他: The LaTeXコンパニオン, ASCII.
- 大友:LaTeX組版ハンドブック
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Ken-ichi Yamamoto
e-mail:yamamoto@eee.u-ryukyu.ac.jp