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抵抗回路

本節では交流回路の解析について説明します。 解析方法は, 基本的に直流回路の場合とほとんど変わりません。回路は電源が直流から交流に変わっています。それに伴って, 図3(b)に示したソースファイルを用います。ここでは「V 1 0 AC 1V」が新たにでてきました。「AC」は, 電源が交流であることを示しています。ここで, 1Vというのは, 振幅の最大値(0-ピーク)であることを知っておいて下さい。(電気回路では, 一般に実効値で交流の電圧や電流をよく表示しますので注意が必要です。)

もう1箇所「.AC DEC 10 10Hz 100kHz」が新しくでてきました。交流信号源の周波数を, 10Hzから100kHzまでDEC(10の対数)目盛で(1 DEC内を10点きざみとして)増加させることを示しています。 ちなみに, ここを「.AC LIN 10 10Hz 100Hz」とすると, 10Hzから100Hzの間で線形に(10〜100Hz間のきざみ点数を10として)周波数を増加させながら解析していきます。 ある一定の周波数間隔で解析したいのであれば, 「.AC LIN 1 100Hz 100Hz」としてください。

さあ, 先の直流回路の場合と同様にして, 「run」「print v(1)」「print all」などで実行・出力させてみてください。 周波数の実数部と虚数部(0), 電圧の実数部と虚数部が表示されます。

用いた素子が純抵抗であり, インピーダンスは周波数に依存しないので, 同じ値が縦にずらっと並んで出てきましたね。
\fbox {\ttfamily
Spice -$>$\ plot v(1) v(2)}
と入力すると, それらの結果(周波数依存性)がグラフに出力されます。ここで, v(1)をvr(1), vi(1), vm(1), vp(1)に変えると, それぞれ節点1の電圧の実数部, 虚数部, 大きさ( $\sqrt{{\textrm{vr(1)}}^2 + {\textrm{vi(1)}}^2}$), 位相角に対応する値が出力されます。ここで, v(1)は実数部(vr)を表しており「vmではない」ことに注意して下さい。

図 3: 交流回路1(抵抗器のみ); (a)回路図, (b)ソースファイル
(a)
\includegraphics [height=4cm,clip]{ac1.eps}
        (b)    

* AC R circuit
Vs   1 0  AC  1V
R1  1 2  10k
R2  2 0  500
.AC DEC 10 10Hz 100kHz
.END

図 4: 「DEC」で実行させた結果
\includegraphics [height=7cm,clip]{ac1_dec.eps}

図 5: 「LIN」で実行させた結果
\includegraphics [height=7cm,clip]{ac1_lin.eps}



Yamamoto Ken-ichi 平成14年7月10日